【ETC/欧州】 XENON2 MEGABLAST(1989~1992年) ≪BITMAP BROTHERS≫

【前回までのあらすじ】
時は1990年代前半。
僕はパンクロックとテクノミュージックが大好きな高校生。
でも周りのクラスメイトは、ヘヴィメタファンか、売れ線邦楽ファンばかりだよ。
たまにテクノ好きを公言する人に出会うけど、よくよく聞くとAvexファンでガッカリ。。。
だから、パンクやテクノの貴重な音楽情報は、
電気のオールナイトニッポンか月刊音楽雑誌「Doll」で入手するしかないトホホな状況。
仮に情報を入手できても、肝心のCDが街のCD屋さんで売っていない~(泣)
なんで日本のレコード会社は僕の好きな音楽を日本盤で出してくれないんだろう?
輸入版目当てに池袋のヴァージンメガストアにもっと頻繁に行ければいいんだけど・・
学生だし交通費もバカにならないよ。
だから、たま~に日本盤で発売されるCDは、限られた資源として有り難く拝聴している日々。
そんな折、近所のCD屋さんに行ったら、Bomb The Bassというユニットの「Unknown Territory」の日本盤が
入荷されていたので早速、買って聴いたよ。
HIPHOPなテクノですっごくカッコよくて滅茶苦茶気に入った!
すぐに前作の1stAlbam「INTO THE DRAGON」も聴きたくなって、一生懸命捜して輸入盤で入手。
これもまたすっごくカッコよかった!
バンバータのようなエレクトロをハウスに昇華したような最高な作品だった。
こうして、Bomb The Bassは僕のフェイバリットユニットの一つになったわけだ。

それから、10年後・・・・。

イメージ 1
1989年にAmiga版で登場した大ヒット作「XENON2 MEGABLAST」。
それがマスターシステムメガドライブへと移植された。
共に海外版のみで日本では発表されていない。
「XENON2 MEGABLAST」は縦スクロール型のシューティングゲーム
アイテムを取ることによりパワーアップする。
自機を画面下に移動させることにより、スクロールがバックするのが特徴。
また、有機的なグラフィックが目を引く。
そして、なんといっても最大の目玉は、イギリスのHIPHOP系ユニット「Bomb The Bass」の
名曲"MEGA BLAST"がBGMに採用されていることだろう。

イメージ 2
海外マスターシステム用「XENON2 MEGABLAST」のiMAGE WORKSパッケージには
誇らしげに『MUSIC BY BOMB THE BASS』の文字が。
(ちなみに、マスターシステム版にはiMAGE WORKSパッケージ以外にもセガパッケージが存在する)

BOMB THE BASSファンなら堪らず飛びつきそうなパッケージだ。





かくいう自分も飛びついた一人だった。
『あのBOMB THE BASSが!?』
2000年前半。
海外取引を行うようになっていた僕はこの海外マスターシステム用「XENON2 MEGABLAST」のパッケージを
見たときに、迷わずに取り寄せた。

"MEGABLAST"といえば、名盤1stAlbamにも収められている名曲のひとつ。
「どのような形で再現されるのだろうか」期待するなと言われても期待せずにはいられない。

数週間後に届いた「XENON2 MEGABLAST」を、興奮気味に早速に廣島装着マスターシステムで稼動。



ヘボ・・。( ´д`)



終始、処理落ちしまくりで、まるでポーズボタン連射モードでプレイしているかのよう。。
昔、CPUをクロックアップさせた改造マスターシステムを見かけた時があって、
『なんでマスターシステムなんかクロックアップする必要があるのだろう・・』と思ってたのだが、
SMS版「XENON2 MEGABLAST」をプレイしてその存在理由がわかった。

マスターシステムでは決してまともにプレイできるものではなかったが、
メガドラ+ブースターで稼動してみた所、それなりに動くようになった。
で、まともに稼動するようになって肝心のBGMをじっくりご拝聴♪



どヘボ・・・・。(;´д`)


その後、メガドライブ版を入手してプレイしてみるも・・・
マスターシステム版よりマシになりましたというレベルのサウンド
もちろんゲーム自体はかなりストレスの無い出来栄えなのだが。。


いや、別にオリジナルの楽曲をそのままなんて期待していない。
そこまでバカじゃない。

そして、原曲を可能な限りでトレースなんてのも期待していなかった。
ゲームマシンのしょぼい音源でトレースした所でなんの価値もない。

なのに、トレース。普通にトレース。
無理なものは無理。だから可能な限りでのトレース。
結果→普通のゲームミュージック。へぼいゲームミュージック


メガドラ版はさておき、
問題は・・・パッケージに『MUSIC BY BOMB THE BASS』と堂々と刻み込んだマスターシステム版だ。

詐欺だ!

パッケージに表記するならちゃんと原曲を消化&昇華して欲しかった。

マシンの貧弱な音源で、原曲である「MEGABLAST」の雰囲気を再現しようとするなら徹底的なアレンジが必要なはず。

徹底的な原曲の分解と再構築。

楽器となるゲームマシンのPSG音源の音はとても貧弱なものでそれは欠点でもあるが、実は個性でもある。
その個性を決してネガティブに捉えず、寧ろ強みに考えてミックスする。


『MUSIC BY BOMB THE BASS』という表記にユーザが期待するのはBOMB THE BASSの曲そのものではない。
BOMB THE BASSを元ネタにした最高のゲームミュージックを期待するのだ。

本作。普通のゲームミュージックとしては"酷い"というレベルではないと思う。
たぶん、普通。至って普通。耳に残るメロディラインなので人によっては気に入るかも。
ただ、『MUSIC BY BOMB THE BASS』とするなら、普通レベルじゃいかんのだ。


自分の武器であるはずの楽器としっかり向き合っていない人間の作った音楽には普遍性がない。
自分の楽器をぞんざいにしている者。自分の楽器に劣等感を持っている者が作る音楽は最悪だ。
これ、この世にある全ての音楽にいえること。
楽器の質なんて問題じゃない。問題は扱い手のアティテュードとセンスだ。
これも、この世にある全ての音楽にいえること。


とはいえ、、、モトリー・クルーのファンが、
メガドラの「クルーボール」を初めてプレイした時に受けた(悪い意味での)衝撃と
似たような経験を味わえたのだから、その点については得るものがあった。。


イメージ 3
「MEGABLAST」も収録の1stAlbam『INTO THE DRAGON』1988年発表。
20年前の楽曲ながら、今聴いても全曲カッコヨスです。まだクラブでも流れてるし。。
ただ、発売から一度も再販されていないらしく、全世界的にレア&プレミア傾向。。



【入手容易度】(普通/やや難/難/かなり難/極めて難)
 ≪やや難≫
【プレミア度】(極安/安/普通/高/極高)
 ≪安≫