【東亜/DC】 DREAMCAST HKT-3010 (1998年11月頃発売) ≪セガ≫

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日本でのDREAMCAST発売とほぼ同時期に販売されたアジア地域向け販売版DREAMCAST
型番が異なる以外は、日本版本体と同等・同一。
日本版のソフトも問題なく稼動する。

外箱のパッケージなどは、パッと見、日本版とそっくりだが、
記載されている文章は全て英語で表記されている。
(取扱説明書も当然英語表記である)
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日本版との最大の違いは、アジア地域販売版DREAMCASTが『純粋なゲームマシン』として登場したことだろう。
つまり、日本版本体や、後に発売される北米版、欧州版本体では、
標準で搭載されているモデムが装備されていない。
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画像は、アジア地域販売版本体。モデムの変わりにダミーユニットが装着されている。

これは、アジア地域の通信インフラが、その他の地域よりも整っていなかったことが一つの理由だと考えられる。
もちろん、当時においても日本と同等もしくはそれ以上にインフラ整備のされている国々(韓国や香港等)も
あったのだが、日本を除くアジア地域という大きな括りで考えての判断だったのではないかと思われる。
また、モデム機能を取り除いた結果、コストダウンに繋がり、
他の地域よりも安価な価格設定での供給も可能だったのではなかろうか。

アジア地域で、モデム搭載DREAMCASTの販売、及び ネットワークゲームサービスの提供が行われるのは、
2000年秋まで待たなくてはならない。
尚、アジアのDREAMCASTのネットワークサービス事業は、
日本のセガではなくSOA(セガ オブ アメリカ)が請け負ったようだ。



以下、前回の記事より引き続きDREAMCASTについてキーワード単位に考察をする。
ドリームキャストがDVDを採用していたら】
ドリームキャストがDVDを採用していたら成功していた!と声高に叫ぶセガマニアは少なくない。
気持ちは良くわかる。

親会社がDVD技術にも長ける超強力な家電メーカーであるSCEが、2000年3月に発売したPS2の定価は39,800円。
DVDプレイヤーとしてだけで考えても、当時としては破格の値段である。
SCEに協力するために、親会社のSONYも肉を削る思いだったろう。もちろん当時としては完全に赤字価格である。


それから遡ることドリームキャストが発売されたのは1998年11月。
発売当初のドリームキャストの定価は\29,800。
当時としては、スペック的に考えてもかなり安い値段でライトユーザからも『定価が想像より安い』と評判だった。
実際、赤字価格である。

それでは孤高のゲームメーカであるセガがこのドリームキャストにDVDを採用してたら、
ドリームキャストの定価は、どれだけハネ上がっていたのだろうか。
考えただけでも恐ろしくはないか?


「自虐CM」抜きでも、世間はセガに対して「負けハードの会社」というイメージがあったのは事実。
そんな負けハードの会社の作る超高額なゲーム機を買ってくるユーザが、マニア以外にどれだけいたのだろうか。

ドリームキャストの発売を先延ばしにするという考えもあるかもしれない。
しかし、SOAの倒産・・など大赤字の財政事情だったセガが、
一向に黒字化される気配のないセガサターン事業を続けるだけの体力がどれだけ残っていたのか疑問だ。
赤字が膨らむだけのセガサターン事業の継続は、ボランティア活動と同義で、企業としては体力を失っていくだけだ。

今振り返ってみても、当時のセガの選択肢は2つしかないと思う。

ひとつは、コストパフォーマンスを考慮したうえで可能な限りの最高の技術を反映した新ハードの立ち上げで
巻き返しを図ること。
そして、もうひとつは、セガサターン事業を継続し、そのままハード事業から撤退するという選択肢だ。



【マシン名】
 DREAMCAST HKT-3010 (1998年11月頃発売)
【価格】
 不明
【メーカー】
 セガ
【スペックは通常版DREAMCASTと同等】
【入手容易度】(易/やや難/難/かなり難/極めて難)
 ≪極めて難≫
 日本にも多かれ少なかれ入ってきていると思われるが、
 見た目や性能が、日本版と区別し難い為、発券するのは困難。