犬猫の飼い主の方へ

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『(突発性)前庭疾患』という病気を知っていますか?
もし、犬猫を飼っていて、この病気について知らないという方がおりましたら、
一度、この病気について調べておいた方が良いとおもいます。
もちろん、それは飼っている犬猫の為でもあり、飼い主さんの為にも。。


前庭疾患とは、方向・平衡感覚器官に機能障害が起きる病気です。
発症した動物は平衡感覚を失って体のバランスをとれないようになり、
よろよろし、転倒したりまともに歩けなくなり、斜頚(頭を傾げた状態)、
斜視・眼振(眼球がぐるぐる回る)をおこします。

これは、耳の奥にある前庭という器官、あるいは平行と体の位置感覚を知る神経系の
障害によって引き起こされる病気です。


これは、主に老犬・老猫に発症する病気なのです。
特に夏の終わりから秋にかけて発症するケースが多いようです。
そう聞くと、「あ~うちの子もそうなることもあるかもね。。」と思うかと思いますが、
怖いのは、、この病気が”突発性”であることです。

ホントに昨日まで元気にピンピンしていた犬や猫が、ある日突然に発病します。
突然に、頭を傾げた状態になり、平衡感覚を失い、眼球が痙攣しているように激しく振れ、
歩くことはおろか、立ち上がることすらできなくなるのです。
恐らく自分の愛犬が突然にこんな症状がでてきたら、、例えこの病気を知識として知っていたとしても、
その凄惨な姿にうろたえてしまうでしょう。。
この病気に対する知識が何もない人は、愛犬の死すらも覚悟してしまうと思います。

この病気は、その原因もそして治療法も確立されていません。
でも、うろたえないで!!
この病気は、基本的には死に直結している病気ではないのです。
適切な処置をとれば、また元気になります!!

治療法が確立していないので、後遺症が残ったり、再発する可能性こそありますが、
一週間弱で症状がだいぶ治まりだし、1~2ヶ月のリハビリでまた生活に支障のないレベルまで
回復するのです♪
発症したら、まずは病院に行って診察を受けること。
症状や年齢によっては入院したり、点滴を受けたりします。
家では、基本的ジッと動かさずに見守るのが最大の看護となります。
目が回っている状態なので、食欲もなくなっていると思いますが、
少しずつ少しずつそれも回復してきます。(決して無理に食べさせてはいけない)

実は、僕のワンコも先週にこの病気になってしまいました。。
僕は今までもずっと犬を飼ってきたのですが、
この病気についてまったく知識を持っていなくかなり狼狽してしました。
その為、先週はこのブログの更新がまったくできなかったのですが、
#更新が怠ってしまって申し訳ないです。ぺこり
この病気について当書庫の『メモ日誌』だけは少し更新していたので、
参考にここの書庫『ダラダラ』にもアップします。

2005年09月19日(月)
◆たまたま実家に帰っていたのだが、朝から実家の犬の「テツ」様子がおかしい。
ヨレヨレ歩き、頭が傾いたままで戻らない様子。昨夜に寝違えたのか?
◆昼過ぎになると、ヨレヨレ歩きが酷くなっていた。まるで、平衡感覚を失ったかのように。。
◆夕食後、テツの様子を観にいくと、様態は更に酷くなっていた。尋常じゃない早さで眼球が激しく
揺れているのだ。もう目はまったく見えていない感じだった。
平衡感覚は完全に失い、まともに立ってもいられない。後ろ足の麻痺もみられる。
斜頚も相変わらずみられ、歩こうとすると頭を傾けている方向に倒れこんでいく。
17歳という老犬だが、2日前まで自転車で散歩するくらい元気だった。が。もうその面影もない。
素人なりに症状からテツの『脳神経』になにかしら異常が起きたことはわかったのだが、
突然に何故にこんなことが起きたのか。そしてどうすればいいのかがまったくわからなくなる。
何もできない自分と、目の前でただ苦しむ愛犬の姿に、僕はただ泣き崩れた。
◆姉が動物病院に電話をいれるも連絡とれず。ただただ家族で犬の体を撫でてやることしかできない。
とにかく、朝一番で病院に連れ込むしかない。それまで生きていてくれれば。。
◆帰宅後、小一時間ボーっとする。老犬だったので「いつきても。。」という覚悟はできているつもり
だったが、イザとなるとまったく諦めがつかない。ジワジワと体力が弱っていくのならまだしもこんな
急に。。。急に悪化するものではなくとも、明らかに脳の麻痺障害。。
少しずつ五感が失われていくのではないのだろうか?もし、五感を失うようなことになれば、、
安楽死も考えないければならない。でも、僕にはその判断はできないだろう。。
◆深夜、一体何が起きたのか、それがほんの少しでもわからないだろうかとNETで色々調べる。
「夏場に多い」「老犬(老描)に突然発祥」「運動失調」「斜頚」「眼振
この条件に完全に当てはまる病気があった。それこそが「突発性前庭疾患」。
前庭疾患は死に至る病気なのか??
数多くの老犬や老猫がこの病気に苦しんでいることがNETでわかった。
そして、数多くの老犬や老猫が克服していったこともNETでわかった。
つまり、死に直結はしない。適切な処置で回復するのだ。この日ほど、INTERNETに感謝した日はない。
駆け足でまた実家に戻った。
◆この日は結局2時間しか眠れなかった。
2005年09月20日(火)
◆仕事から帰り、テツが心配でまた実家に戻る。家族がテツを動物病院に連れていったはずなので。
しかし、行き着けの動物病院には行ったが検査だけで治療はされなかったと。
「治療なし」というのが僕にとって少しショックだった。
日頃からお世話になっている病院だが、ちょっと懐疑的になってしまった。
患者や患者の家族は医者を神にも悪魔にも仕立て上げる、、そんなもんだろうと自分を納得させた。
◆家族は「様態がだいぶマシになってきた」というが僕にはそういう風には見えない。
確かに「眼振」が治まる時があるのだが、昨日と違って今日は水をまったく飲まない。
医者によると4~5日はこの状態が続くらしいのだが、老犬が何も飲まず食わずで大丈夫なのか?
だいたい治療してないし。。で、不安しか残らない。
◆この日の夜、以前に飼っていた犬や猫、死んだ父親や親友、大好きだった田舎のおばちゃん達が
走馬灯のように夢の中にでてきた。僕は幽霊とか信じないし、ちょっとした私怨もあって特に宗教には
完全な”アンチ”の姿勢をとっている。
でも、もし本当に天国とか輪廻とかあったら、それはとても素敵だなとも思っている。
2005年09月21日(水)
◆仕事から帰宅後、実家に。テツの様子をみに。
◆やはり、今日も水を飲まなかったようだ。
僕は以前から、テツが病気や怪我をしたりすると、隠れてこっそり生卵を与えていた。
そこで、今回も卵の黄身をオサジに乗っけてテツの口元にさし出してみた。。
すると、、舐めた!!無理矢理に口に押し込むことなく自発的に舐めた!!3日ぶりの栄養だ!!
◆この日の夜も以前に、、低学年の頃に飼っていた犬の「ユーバー」の事を思い出しながら床についた。
僕はユーバーの死に目にあっていない。僕の旅行中に死んでしまったのだ。
旅行前からユーバーの体調はかなり酷かったし、いつ死んでしまってもおかしくない状態だった。
それで旅行に行くのを凄く嫌がった記憶がある。
結局、留守番の父親に「ユーバーを絶対に死なせないでね」と約束をして旅行に行った。
そして、旅先で死の報告を聴き、家に戻った時にはユーバーは葬られてしまった後だった。
だから僕のユーバーの最後の記憶は、苦しそうに息をしながら横たわって寝ている姿だ。
2005年09月22日(木)
◆今日も今日とて、テツの様子を窺いに実家へ。
ここ数日、会社からの帰りの電車内で、僕は過呼吸気味だ。。すごく息苦しい。特に今日は酷かった。
そして、テツの顔を見ると落ち着くのだ。
◆今日のテツは、お昼に牛肉の断片やじゃがいもの断片を少しではあるが食べたらしい。
僕も同じものを少し与えてみたら、ちゃんと食べた。水もよく飲んでくれるようになった。
僕が見ていた時には、「眼振」もなく顔色も良いように見えた。ありがたい。
かすかにだけど「くぅ~ん」という声も聞けた。僕がテツの声を聞くのは3日ぶりだ。
◆「前庭疾患」はその原因が解明されていないようで、これといった治療法も確立していないようだ。
しかし、後遺症や再発の可能性を有しながらも、2~6週間で治るらしい。
家族にできる看護は、とにかく無理に体を動かさせないこと。
嘔吐や食欲不振が続く場合は点滴等を病院に打ってもらうことらしい。


9月25日現在、テツの体調はだいぶ良くなってきました。
よく鳴くし、「眼振」は見られない。まだ足元はおぼつかないけど以前よりはしっかり歩く。
ただ、「斜頚」は相変わらずで、食欲も以前よりはだいぶでてきたけど、
まだ手で少しずつ与えないと食べれない。食べれる量も少ない。
一山は超えたかなとは思っています。あとは、粘りですね。

インターネットでこの病気について色々調べた時に思ったけど、
この病気にかかる犬や猫は予想以上に多い。そして、その多くの飼い主が動揺を隠せない様子でした。


この記事を読んだ犬猫の飼い主さん。
是非、この病気について認識を少しでも持って、万が一に愛犬・愛猫が病に冒された時、
少しでも気落ちせずに、対処していってください!