PSE法とヴィンテージ楽器

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前回に続いて「PSE法」で音楽編。
音楽という観点からこの法律を考えると更に深刻。。
ゲーム編の時はひきつけを起こしながら苦笑で書けた記事なのですが、
音楽編では笑えません。ホントに笑えないよ。。


まず、聴き手サイドの問題としては、レコードプレイヤーやCDプレーヤー、アンプ、コンポの名機が
手に入らなくなるということでしょう。
僕はオーディオマニアではないのですが、マニアにとっては死活問題であることは、
レトロゲーマーの僕にもよ~~~くわかります。


でも、それ以上に僕が気にかけているのは送り手サイドの問題、、楽器の運命だ。
ギター等各種のアンプ、シンセサイザーシーケンサーDTM機材等々。
これらの楽器は、新しければ新しい程良い音がでるなんてわけではない。
それらにはヴィンテージ・・・奇跡的な名機なんてものもある。
それはその時代のその楽器でしか奏でることのできない音をだす神聖なものだ。

音楽にとって、楽曲が肉なら、楽器は血であり骨である。
音の組み合わせでメロディは構成されるわけだが、
その音を作り出してくれるのが楽器だ。

楽器を甘く見てはいけない。
常に新しい音楽が生まれる時、そこには楽器が強く関連しているのだ。

例えば、今あるエレクトロニカやテクノといった電子音楽
この音楽の直系の元祖のひとつは、シカゴ・ハウスと呼ばれる音楽だ。
この音楽は、お金の無い黒人達が当時中古で安く買えたちょっと古いリズムマシンを使って、
彼らの感性~今までにない表現を試みて完成したものだ。
この時に黒人達が使った「当時でも中古で安く買えたちょっと古いリズムマシン」が、
その後、今までにないまったく新しい音楽スタイルを創り出した名機と謳われるようになったのだ。


20世紀に生産された電子楽器の放棄は、
過去の音楽文化のみならず未来の日本の音楽文化の放棄にも通ずる。


僕は決して作り手側の人間じゃないし、演奏もしないけど、
創作者側の表現に制限がかかると、確実にそれは聴き手側に影響を及ぼす。



経産省は、「ご理解を。。」なんてとぼけたことを言っているが、
そんなもん理解できるわけないでしょ。
文化の発展を抑制しかねない法律にどう理解しようってのよ。
こういったすっとぼけ発言から考えても、
余程、教養の無い人間が考え出した法律なのだろう。


坂本教授らがこの法律に対する署名運動をしています。
https://www.jspa.gr.jp/pse/index.cgi
僕はだいぶ前に署名済み。まぁ署名の効果なんてしれていますが。。


そもそもこのPSE法。2001年仮施行時、法律自体は決して問題のある内容ではなかった。
1.中古販売に関して突然今年の2月になって適用することが決定した
2.国民へのアナウンスが結果的には全くされないまま本格施行しようとしている
この2点が問題。大問題。つまりは経産省の不手際。不潔。最低。猿。そして、税金泥棒。