【日本/MD】 MEGA DRIVE (1988年10月29日発売) ≪セガ≫

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8Bitマシン全盛の中、超高性能な16BitCPUを搭載してメガドライブは登場した。
初めから『家庭用ゲーム機』を念頭にして設計開発された初めての純然たるセガの『ゲーム特化マシン』である。
発売された88年当時を考えると文句をつけようが無いほどの高スペック。
そして、その高いスペックながらもリーズナブルな価格設定。
好き嫌いは分かれるかもしれないが、セガハードの歴史の中で間違いなくメガドライブは、
最も優秀なアーキテクチャを誇るマシンであったといえる。
(その後、メガドライブアーキテクチャは、ぷよぷよプリント倶楽部等のアーケード基盤、
PICOなど幼児用コンピュータなどにカスタム化し転用される)
発表されたメガドライブの性能に一番驚いたのは、
実は、次世代ファミコンスーパーファミコン」の発表を控えていた任天堂だった。
メガドライブがまったく想定外の高スペックだったらしく、急遽、スーパーファミコンの発売を予定より延期。
設計段階から計画を見直すハメになった。
(スーパーファミコンの発売は結局メガドライブ発売からなんとも2年近くも待つことになる。
逆説的に考えると、結果的にはスーパーファミコンメガドライブとの性能格差が開くことにもなったが)
メガドライブが世間に正式発表されたのは、実際に商品として店頭に並ぶわずか1~2ヶ月前のこと。
つまり、突然、このマシンは世に発表され、アーケードゲーム獣王記」とそのメガドライブ移植版の
比較デモンストレーションを行い、その驚愕のハードパワーを知らしめたのだ。
かなりセンセーショナルな登場の仕方だった。
新ハード発表が、発売間近に迫ったタイミングで行われた理由は不明だが、
任天堂への奇襲作戦
・ぎりぎりまでのアーキテクチャ調整
・日本版Mastersystem発売わずか一年足らずでの新ハード投入による企業イメージ損失の懸念
以上の3点が単純に考えられよう。

まるでCDドライブを搭載しているようにも見えるハードデザインは、今後のCD-ROMでのソフト供給を暗示して
いるかのようであるが、実際にも本体発表時点で後付CDドライブ(後のメガCD)の構想はあった。
燦然と輝く「16BIT」のロゴは、セガが紆余曲折しながらもメインの頭脳として搭載した
高性能CPU『68000』に対する自信の表れ。
SEGAはこの高性能CPUを載せる為に、なんと30万個の一括注文というリスキーな条件を呑んで、
格安で仕入れる契約を獲りつけることに成功したのだ。
ちなみに、SGシリーズのメインCPUとして搭載されていたZ-80AもサブCPUとしてメガドライブに載っている。
そう考えると、開発段階ではメガドライブが「マークV」と謳われていたのもうなずける。

一見、PC業へは見切りをつけたようにも感じるセガだが、どこか未練が残っているらしく、
メガドライブのPC化構想も存在した。
PC大手のNECがゲーム業界に進出したことにも触発されていたのかもしれない。
結局そのPC化構想は、モデムを販売したところで終焉。キーボード、FDドライブは実現しなかったが、
別の形(テラドライブ)で落ち着くことになる。

※画像2枚目、向かって左の外箱パッケージが初期版。右が中期以降の外箱パッケージ。
※画像3枚目、セガに修理を出すと、このダンボールに入れられて帰ってくる。



【マシン名】
 MEGA DRIVE(HAA-2500) (1988年10月29日発売)
【価格】
 \21,000
【メーカー】
 セガ
【CPU】
 MAIN:68000(7.67MHz)、SUB:Z80A(3.58MHz)
【MEMORY】
 RAM 64KB(68000用)+8KB(Z80用)
 VRAM 64KB
【GRAPHIC】
 GRAPHIC 512色中64色同時発色可能
 スプライト80個・スクロール2枚搭載
【SOUND】
 FM音源6音+PSG3音+ノイズ1音
 (FM音源のうち1chをPCMとして使用可能)
【ETC】
 ステレオヘッドホン端子
 コントロール端子 2ヵ所
 拡張コントロール端子
 スロット カートリッジ、拡張各1ヵ所
【入手容易度】(易/やや難/難/かなり難/極めて難)
 ≪易≫
 中古市場ではよく見かける。値段もお手頃価格で入手できよう。