【北米/MD】 GENESIS (1989年9月発売) ≪セガ≫

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日本のMEGA DRIVE発売から遅れること1年後。北米で発売されたMEGA DRIVEの「GENESIS」である。
数あるMEGA DRIVEハードで、真の主役といえるのはこのGENESISなのかもしれない。
性能は日本版MEGA DRIVEと同一。ハードデザインが若干違うぐらいか。
北米においてハード名を変更して発売されたのは、この地域では「MEGA DRIVE」という商品名が
ごく一般的に使われている(安直な)名前でインパクトに欠けるのが要因だ。
日本の他、アジア、南米、豪州、欧州などでは「MEGA DRIVE」でハード名を統一している。


SG時代、MASTER SYSTEM(海外版マーク3)の発売が、任天堂NES(海外版ファミコン)に遅れをとり
それが一因で海外の任天堂シェアを奪うことができなかった経験のあるセガは、
早急に海外販売に乗り出した。(歴代セガハードが先行逃げ切りを狙うのもこの経験からだ。)
日本のMEGA DRIVE市場同様、SG時代に比べ好調な売れ行きを見せたが"強力なキラーソフト"不足がたたり、
猛烈なスタートダッシュをすることができなかった。
結果、翌年90年、遅れて発売されたSNES(海外版スーパーファミコン)と激しい一騎打ち戦が始まることになる。

この激しい争いにひとつの区切りを付けたのは、現在でもセガの看板キャラクターである
ソニック・ザ・ヘッジホッグ」の第一作目作品である。
この「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」は、日本よりも一ヶ月早く北米に投入された。
日本で開発されたソフトが、日本市場よりも北米市場に先に販売されるのは異例のケースである。
それもそのはずで、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」は、
開発当初から明確に、海外において任天堂のマリオに対抗なる"キラーソフト"として開発していたからだ。
そして、このセガの狙いが大的中する。
間違いなく「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」はキラーソフトとなりうるクオリティ(※1)で完成し、
ハードの値下げ戦争の勝利、マリオとソニックの挑発的な比較CMと相成って、
GENESISは爆発的売り上げを記録し、長期の間、あの任天堂SNESを突き放す大勝利を得たのだ。

ソニック人気は日本とはまったく比較にならないほど凄まじく、GENESISは瞬く間に普及していき、
数多くのソフト会社がライセンシーとして参入を果たした。
今や世界一のゲームソフトメーカーとなったエレクトロニックアーツ社も頭角を現し、
スポーツゲームを軸にGENESISを牽引していった。
日本のMEGA DRIVEで海外作品のゲームが多いのは、このように海外市場に勢いがあったのが要因だ。
日本では発売されない海外販売だけのソフトも数多く有る。
日本未発売のソフトの多くは、海外ソフトメーカーの作品が中心だが、なかには日本の
超大手ソフトメーカーの超有名作品なども含まれている。
それはつまり、MEGA DRIVEの主戦場が、日本になかったことの表われだ。
これを期に日本のプレイヤーで輸入海外ソフトに手をだした人も決して少なくない。


(※1)ソニックを非常に高いクオリティで完成することができたのには、
 当時開発者だった中氏の力による所が大きい。
 中氏はマリオの開発者である宮本氏に一際敬意を払っている方だった。
 個人的な思いではあるが、もし、開発者がマリオに敵意をもって作成した作品だったとしたら、
 これほどのクオリティは保てなかったと思う。



【マシン名】
 GENESIS (1989年9月発売)
【価格】
 $199
【メーカー】
 セガ
【スペックは日本版MEGA DRIVEと同等】
【入手容易度】(易/やや難/難/かなり難/極めて難)
 ≪やや難≫
 日本の中古市場ではあまり見かけなくなったが、海外市場で容易に手に入ると思われる。
 日本市場、海外市場共に、値段もお手頃価格で入手できよう。