【MD/欧州】 ZERO WING (1991年5月31日) ≪セガ≫

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画像は、日本版「ゼロウイング(東亜プラン発売)」と欧州版「ZERO WING(セガ発売)」。
ちなみに北米では発売されていない。
ゼロウイングはアーケードからの移植作で、東亜プランには珍しい横スクロールシューティング。
今回の記事の主役は、欧州版「ZERO WING」である。

日本版と欧州版の違いは、デモ画面のセリフが日本語か英語かの違いだけだろう。
日本で開発されたゲームなので、元のセリフは日本語なので、欧州版ではセリフが英訳されている。
実は、この「英訳」こそが欧州版「ZERO WING」の肝である。



上記の英文は、英語圏に住んでいるネットユーザなら知らない人間はいないだろう。
実は、この英文は、欧州版「ZERO WING」に使われているセリフだ。

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元の日本語のセリフは『君達の基地は、全てCATSがいただいた。』である。
ゼロウイングの世界設定を知らない人の為に補足すると、、
宇宙海賊CATSが、自プレイヤー所属の連邦軍に謀反を起こして、その基地を占領・占拠・制圧したという設定だ。
そのCATSが、連邦軍指揮官に宣言したセリフが『君達の基地は、全てCATSがいただいた。』なのである。
そして、この『君達の基地は、全てCATSがいただいた。』を英訳したのが、
All your base are belong to us』なのである。

英語圏に住む我々にはピンとはこないが、
英語圏に住むユーザはこのセリフに相当度肝を抜かれたようだ。「意味わかんねぇ~」と。
つまり、、英訳失敗。バリ日本語英語。「やっちゃた」わけである。
それもよりにもよってゲームのストーリー的に超重要で超シリアスな場面で。

この『All your base are belong to us』というヘンテコ英語の文章(つか表現)は、
兎にも角も英語圏の人々のハートをガッチリキャッチしたようだ。
作品の発表された90年代当時は、一部のゲームユーザの語り草になる程度のレベルだったのだが、
その10年後、2000年初頭には、インターネットを通じてゲームを知らない人の間でも爆発的に知られるようになる。
これは『All your base are belong to us』を揶揄したフラッシュが人気を博したのが直接的な原因だ。
よって、恐らくこのゲームの英語圏知名度は異様に高い。日本人の知らぬ間に。

ちなみに近年でも、動画サイト「Youtube」のメンテナンス画面において、
この迷文を文字って『All your video are belong to us』と表示。これは我々日本人も目にした人が多いことだろう。。
当時、日本からのアクセスが急増してサーバメンテナンス処置をせざるを得ない状況となったYoutubeからのメッセージだからだ。
これは、改めて『All your base are belong to us』の人気を証明することとなった。

尚、海外のネットではこの『All your base are belong to us』は、
AYBABTU」や「AYB」、「All Your Base」と略されて登場することも多い。
もはや定番の域。そこには愛すら感じます。
ヘンテコ英語は数あれど、ここまでスポットライトを浴びるものは珍しい。
これはもはや「名文」と言っても良いのかもしれない。
日本人として別に恥じることはない。共に笑いましょう。
みんなも記念に欧州版「ZERO WING」をGETすべき。

尚、このセリフの然るべき英訳の一例は以下。
『we, CATS, have taken over all of your bases. 』


う~ん。。。やっぱ、せめてbaseくらいは複数形にすべきだったねぇ。。
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【入手容易度】(易/やや難/難/かなり難/極めて難)
 ≪やや難-難≫
【プレミア度】(極安/安/普通/高/極高)
 ≪普通≫