【PICO/日本】 PICO用カートリッジ絵本ソフト (1993年6月26日~) ≪セガ/その他≫

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日本でメガドライブが発売されること5年後、
1993年6月26日に幼児用コンピュータとしてセガから登場したのが「キッズコンピュータ ピコ」だ。
大きなお友達には『メガ』を、小さなお友達には『ピコ』といった具合だ。
ピコは、メガドライブアーキテクチャーを応用した幼児用マシンで、
性能はほぼ同等である。
最初期のピコ本体にはメガドライブ用のコントローラパッド端子を備えていて、
ハードウェア的にはメガドラの全ての周辺機器が利用できたぐらいだ。
(しかし、ソフトウェア側で対応していなければ使用できず、多くのソフトは対応していない)

但し、ピコとメガドライブはまったく同じスペックというわけでもなく載せている音源チップが異なる。
ピコにはメガドライブにあったFM音源は搭載していない。
その代わり音声出力に秀でているADPCMを搭載している。
(よって、FM音源チップを制御していたZ80Aはピコには搭載されていない)
サウンド能力はメガドライブの方が秀でているが、音声出力はピコの方が優れているのだ。

その他、ピコとメガドライブではカートリッジスロットの形状が異なる。

上記以外の性能はメガドライブとピコは同等である。


ピコは、2005年4月「甲虫王者ムシキング あつめてあそぼう甲虫図鑑」というソフトが
発売されまで、約12年間現役のマシンだった。
比較的長寿マシンと謳われるメガドライブの現役期間が、
1988年10月29日から1996年3月22日までの約8年間だったのだから、
ピコはかなり長寿だったことが窺い知れる。

また、メガドライブソフトの開発のノウハウはピコのソフト開発へほぼそのまま応用できたわけで、
メガドライブの終焉した1996年後、2005年までの9年の間、
メガドライブアーキテクチャーへの開発技術が洗練され続けていったことになる。

つまり、メガドライブファンからしてみれば、ピコのソフトを見ることにより
『もし、メガドライブが2005年まで現役だったら・・・』という"IF"を楽しめることになる。

実際、ピコのソフトは「中身がメガドライブとは思えない」ような技術を採用していることが多い。
ピコソフトの開発者の方々とコンタクトをとれる機会が何回かあったが、
かなり技術的な部分にも気合を入れて開発していたようだ。
特にアニメキャラクターものは、大人のお友達もコレクターズアイテムとして
購入する方が多く、開発陣も気合入れて開発していたと聞く。

つまり、セガマニア的に解りやすく マスターシステムで例えると、
ピコのソフトは、TECTOY版MASTERSYSTEMソフトなのである。
ハードのスペックを最大限にしゃぶり尽くし、且つアイデアの限りを尽くしたソフトが多数存在するのだ。

その魂はまさしくセガそのものだといっていい。
【日本/PICO】 KIDS COMPUTER PICO(HPC-0001) (1993年6月発売) ≪セガ≫


では本題。日本で発売されたピコのソフト形態について記述する。
ピコのソフトはその形状から『絵本ソフト』と名付けられている。
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カートリッジに絵本のように、プラ製のページが備え付けられている。

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表紙と見開きで5ページの構成。
ピコはタッチペンで操作するので、本体のタブレットを使用するのは当然とし、
この絵本のページにタッチすることによっても画面は様々な反応をする。
また、絵本の1ページが1つのステージに相当し、ページをめくることにより
画面が別のシーンへ自動的に切り替わる能力を持っている。


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ピコの絵本ソフトの取扱説明書。カラー刷りで横長。
尚、画像のソフトは、ピコ初のフルボイスソフト。
BGMが途切れることなくしゃべりまくって歌いまくる。
もちろん、この絵本ソフト以前のソフトでも要所要所で音声を出すソフトは多かった。



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こちらの絵本ソフトは、ピコと完全互換マシンであるイマジニアの『育脳塾』のソフト。
完全互換なのでピコでもプレイ可能。当然、ピコの絵本ソフトを育脳塾でプレイすることも可能。
育脳塾は、ピコよりも教育的要素を強く売りに出していた。
画像のソフトは共にセガキャラクターを採用した育脳塾ソフト。
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【日本/PICO】 育脳塾モデル PICO (IMC-001/HPC-0003A) (1994年頃) ≪イマジニア/セガ≫


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こちらの絵本ソフトは、ピコの上位互換マシンであるヤマハの『コペラ』のソフト。
こちらは「絵本ソフト」ではなく「ミクスト ブック」と呼ばれる。
コペラは主にヤマハ系の音楽スクールで使用されていたマシン。
ピコの上位互換マシンなので、このミクスト ブックはピコ(及び育脳塾)でプレイできない。
コペラは音源チップにFM音源を追加で載せているので、ミクスト ブックはFM音源対応なのだ。
コペラ自体は、ピコ(及び育脳塾)のソフトもプレイ可能である。
尚、コペラの搭載しているFM音源はメガドライブのFM音源とは異なる。
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【日本/PICO】 MIXT BOOK PLAYER COPERA (1993年発売) ≪ヤマハ≫




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尚、絵本ソフトのカートリッジの色は、出荷バージョンにより異なる場合がある。

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ピコの販売・製造がセガからセガトイズに移管された際には、
旧作の再販の際に、パッケージデザインも変更されたものがある。

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また、ピコも家庭用ゲーム機同様、廉価ソフトが発売された。
画像はピコ初の廉価版シリーズの『はじめまシリーズ』と、末期の廉価版シリーズ『ピコ ベストセレクション』。
ピコ発売10周年記念の際には、『10周年記念ソフト』という廉価版シリーズも販売された。


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今となってはレアなブランド『セガ・ヨネザワ』製の絵本ソフト。
セガ・ヨネザワは、セガグループ傘下に入った際の老舗玩具メーカー ヨネザワの名称。
後にこのセガ・ヨネザワと、セガのトイ事業部が合流して「セガトイズ」になる。


以下、ピコの絵本ソフトの一部を紹介する。

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絵本ソフト『パケット』シリーズは「ボイス ピコ」と呼ばれるもの。
音声認識機能を備えた絵本ソフトだ。絵本ソフトにマイクが備わっている。
話しかければ、画面のキャラクター達が反応する。

尚、ピコの周辺機器を接続する端子の多くは、ピコ本体ではなく絵本ソフトに備わっている。


以下は周辺機器を要する絵本ソフトの一例。

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左上は『スペースピコ』。宇宙船の操縦席をイメージした入力デバイス
右上は『フィッシング ピコ』。釣コンの相当するもの。ヨネザワの名玩具「ガブッチョ」のデジタル移植。
左下は『ダンシング ピコ』。見ての通りダンスマットコントローラ。ピコにはダンスゲーもある。
右下は『リズム ピコ』。キーボードやパーカッションをイメージした入力デバイス音ゲー用。


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左上は『パソコン ピコ』。ピコをパソコン見立ててパソコン操作の練習ができる。
『パソコン ピコ』とは別にキーボード練習用『キーボード ピコ』や、マウス操作を習う『マウス ピコ』も存在。
右上は『もしもしピコ』。「りかちゃん電話」のピコ版といってよいもの。
左下は『ドライブ ピコ』。ハンドルコントローラ。シフトレバーもあればクラクションもある。
エンジンキーもあり、エンジンをかける所からゲームは始まる。
右下は『クッキングピコ(キッチンピコ)』。デジタルおままごとが楽しめる。
水道の蛇口をひねれば画面上の台所の水道から水が出る。包丁でまな板を叩けば画面にも反応する。
特筆すべきはコンロで、煮込んでいくと本当に鍋が振動する。(振動機能を搭載している)


ピコには数多くの周辺機器が発売されており、家庭用ゲームで存在するデバイスなら
そのほとんどがピコにも登場している。
但し、光線銃に相当するデバイスだけは存在しない。

ピコについてより詳しくは、親サイトの↓参照で♪
ぴこぴこPicoぴー
http://www2.plala.or.jp/master_s/



【入手容易度】(普通/やや難/難/かなり難/極めて難)
 ≪普通-やや難≫
【プレミア度】(極安/安/普通/高/極高)
 ≪極安-普通≫