【日本/PICO】 KIDS COMMMUNICATION PICO(HPC-0009) (2001年6月発売) ≪セガ トイズ≫

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それまでも度々マイナーチェンジを行ってきたピコだが、2001年6月、大幅にモデルチェンジされる。
それが「KIDS COMMMUNICATION PICO HPC-0009」である。
基本の性能は、従来のピコとまったく同じでソフトの互換性もある。
(物理的な問題で、「みんなできょうそうアンパンマン!」だけは不可となっている)

ハードデザインに関しては、一から練り直され、非常にスマートな本体になった。
ハードカラーの異なる本体が、オレンジ、スカイブルー、ピンク、グリーンと順次発売。

この新しいピコで注目したい点は2点。
まず、ひとつは画質のクオリティが向上した点だ。
ピコはメガドライブアーキーテクチャーの申し子であることは、以前に紹介したが、
このアーキーテクチャーの特徴である「画像のにじみ、ぼやけ」を改善したのだ。

そしてもうひとつは、ネットワークへの接続である。
専用接続ソフトを使用することにより、インターネットへの接続を可能にしたのだ。
メガドライブのメガモデムがパソコン通信であった事を考えるとなかなか感慨深い。
このネット接続サービスこそが新しいピコの目玉であったが、
サービス開始から一年半後には終了してしまっている。
オンラインサービスを必要とするユーザが少なかった事と、ピコのハードスペックでは通信技術の進歩に
ついていけないことが理由だ。もっともな理由だ。


90年代、急進的にその売上を延ばしてきたピコであったが、
2000年代に入るとその売上は小康状態となってきてしまった。
新しいピコはその小康状態を打ち破るべく登場した部分もある。
しかし、ピコの延命処置的な効果はあったものの、かつての勢いを取り戻すまでの効力はなかったようだ。
そして、2005年4月に絵本ソフト「甲虫王者ムシキング あつめてあそぼう甲虫図鑑」という大花火なタイトルを
最後にピコの絵本ソフトの新作供給はストップする。

同年8月6日に次世代ピコの「Advanced PICO Beena」を販売開始。
Beenaは、ピコとはまったく違うアーキテクチャーの32Bitマシンで
セガトイズとアプローズテクノロジーズの共同開発のものだ。
(セガサミーグループ、唯一のコンシューマハードで、且つ、スーパー32Xセガサターン
続く第三の32Bitマシンともいえる)
この次世代ピコは、旧ピコとの互換性はまったくない。
インターフェースこそ同じだが、中身はまったく別物といってよい。
幼児用コンピュータの性質を考えると下位互換は確かに不要である。
しかしこれで、GENESIS、業務用ぷよぷよプリント倶楽部、そしてピコといった数々のヒット商品を
生んできたメガドライブアーキテクチャーが事実上、お役御免になったかと思うとやはり寂しいものだ。
※尚、MEGA DRIVE PLAY TV2~3がセガトイズより限定発売されたのも、
 最後のピコソフトが発売された時期と同じ2005年4月であり、意図的かわからないが因縁を感じる。

実は、最後のメガドライブアーキテクチャーとして今でも細々と生き残っているマシンがある。
それは旧ピコの業務用マシン「ピコランド」だ。今でも一部、大型スーパー、大型玩具店に設置されている。
この業務用マシンに関しても、「ビーナランド」という次世代マシンに後を追われている状態で、
いつまで設置されるのか定かではない。
少しでも長生きして欲しいものだ。



【マシン名】
 KIDS COMMMUNICATION PICO(HPC-0009) (2001年6月発売)
【価格】
 \12,800
【メーカー】
 セガトイズ
【スペックはKIDS COMPUTER PICOと同等】
【ETC】
 タブレット/タッチペン
 スロット カートリッジ 1ヵ所
【入手容易度】(易/やや難/難/かなり難/極めて難)
 ≪易≫
 中古市場ではよく見かける。値段は今でもそれなり価格。